地域経済を支える信用金庫の人事・給与業務DXをトータルで支援
——人材不足への打ち手と業務高度化を実現
城北信用金庫様
- 人事給与関連サービス
- サービス業
- 金融業
- コスト削減
- 業務効率化

左上から
城北信用金庫 人事部
田邊 祐貴様・髙木 大輔様・髙橋 麻佐美様 三菱総研DCS 力石 真由・嶋田 朋泰
皆川 恵理子様・杉山 真由美様 三菱総研DCS 三吉 祐香・竹内 美鈴
岩越 大輔様・外山 博光様・葛西 章治様
取材日:2025年6月11日
※所属、役職等の情報は取材当時のものです。
人事給与システム・アウトソーシングサービス「PROSRV」の導入・活用事例
- 概要
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短期間で人事システムを刷新
2024年、PROSRV on Cloudや関連業務のアウトソーシング、勤怠・タレントマネジメントシステムの導入を支援。人事制度の見直しと旧システム終了に伴う移行を、半年で実現しました。
- POINT01
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旧システムからPROSRV on Cloudへの入れ替えを半年間という短期間で実現
- POINT02
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給与担当・退職金担当・人材管理担当など各業務に合わせたチーム体制を構築
- POINT03
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城北信用金庫様が求める人間味のある対面コミュニケーションを徹底
城北信用金庫様について
全国でも有数の規模を誇る城北信用金庫は、東京都北区に本部を置き、都内城北地区・埼玉県南地域で、地元住民や中小企業を中心にお取り引きをされている地域金融機関です。
創立は大正10年。地域経済の発展と中小事業者の支援を目的に設立され、現在では職員数約1,800名(処理2,200名)、預金残高2兆6,570億円、貸出金1兆3,094億円(2025年3月末現在)の規模に成長しました。
地域社会に根差し、地域課題や顧客一人ひとりのお悩みを解決することを目指して、金融はもちろんのこと、非金融のサービスにも力を入れているのが特徴です。具体的には、中小企業の資金繰りといったファイナンスによるアプローチに加え、売上増加や販路拡大、プロモーション、従業員の確保や育成など多岐にわたる経営課題に寄り添い続けています。本部に専担部署を設け、他の金融機関よりもさらに踏み込み地域社会と向き合うなど、日々のコミュニケーションを通じた「Face to Face力」が、城北信用金庫様の強みです。
「安定運用を実現できるパートナー」を求めて委託先を選定
岩越様:
旧人事システムにおいては、税制改正や各種の制度変更などを受け、当金庫仕様にカスタマイズを加えてきた歴史がありました。時代の流れに合った大規模な人事制度の変更を検討しつつも、旧システムの運用上の制約等が足かせとなってしまう部分がありました。また、これまで利用していたシステムの保守期限切れが近づいてきたため、人事システムの入れ替えを決断しました。
加えて、団塊世代の定年退職や少子高齢化などの時代背景もあり、近い将来、当金庫でも人材確保が難しくなっていくことが予想されることから、限られた人員での業務遂行が必要となります。
そのため、約半年という期間で、システム運用に係る工数削減、各資料類のペーパーレス化、勤怠システムの導入、給与業務の一部外注など、複数の要望を安定稼働まで実現してくれる業者を求め、委託先の選定を開始しました。

三菱総研DCSを選定した理由、PROSRV 導入によるメリット

外山様:
当金庫が求めていたのは、
①ペーパーレス化 ②アウトソーシングサービスの活用(人事給与担当の将来的な人員不足への備えと、緊急時に活用できるアウトソーシング) ③安全で確実なデータ移行 の3点です。
コンサルタントの嶋田さんからのご提案で、PROSRVの標準機能で私たちの要望を概ね実現でき、加えてデータ移行を含めたサポート体制も万全であることがわかりました。クラウド型のシステムでは、独自の設定ができないこともあるようですが、PROSRVは、将来的に機能追加をしたい場合にも柔軟に対応ができるとの事で、その点も決め手となりました。
また、サービスの導入を検討すると同時に「基幹システムである人事給与システムを安心してお任せできる業者を選定したい」という気持ちが強くありました。その点、細かな質問にも丁寧で、スピード感のある嶋田さんの対応が、大きな安心感につながりました。
導入後の印象としては、年末調整のアウトソーシングを実現できたことで、かなり効率が上がったと評価しています。人事が総出で丸一カ月かけて対応する負荷が高い業務でしたが、そのリソースを別の業務に使うことができるようになりました。
また、賞与についても給与明細上に支給率が表示できるようになったので、評価を各従業員に把握してもらいやすくなりました。透明性を担保できるようになった点も大きな成果です。かねてより問題意識として認識していた課題にアプローチし、一気にメンバーのマインドを変えることができたと実感しています。
大規模プロジェクトの不安を払拭することができたDCSの提案とサポート力
岩越様:
当金庫の基幹システムの一つである人事システムの入れ替えは、私たちにとっては非常に大きな挑戦であり、同時に大きな期待も寄せられるプロジェクトでした。
その中でプロジェクトを統括する私と髙木は、このスケールの大きな取り組みに手応えを感じる一方で、責任の重さを強く意識する場面もありました。
中でもデータ移行や設定作業が大きな懸念事項でした。今回のシステム入れ替えにあたり、複数のシステムを比較しましたが、他社のシステムでは、導入に伴う初期設定等のサポートはあるものの実作業は自分たちの手で行う必要がありました。
DCSさんは初期設定を丸ごとお任せでき、各業務単位で担当者を割り振る「チーム制」での進行を提案してくれたので、心強かったです。
システム面に関しては、金融機関ならではのセキュリティ上の制約が多くありました。システム部門が求める要件が一般企業と比べて非常に厳しく、これまではクラウドシステムの導入に対しても消極的な姿勢だったと思います。
DCS嶋田さんと当金庫のシステム部門で話し合いを重ね、セキュリティに関する課題を全て洗い出し、一つひとつクリアしてくれました。
私たちが求めるセキュリティ要件をクリアできた理由として、PROSRVは大手金融機関などの導入実績もあり、すでに対策が講じられている例が多いことも挙げられます。
特定分野のプロ同士のやり取りによる連携と、現場に寄り添うきめ細かな対応力
私たちは人事業務を給与担当・退職金担当・人材管理担当など分業制で行っており、特定の分野ごとに専任制を採用しています。
当金庫が人事業務を分業化している点や、人事制度の刷新に間に合わせるため半年という短納期での稼働目標であることをDCSさんも理解していただき、ご提案いただいた各種業務単位で担当を割り振る「チーム制」で進めることになりました。
特定の分野ごとに担当を設け、DCS側で各種業務に特化した方を選定いただき、各々で移行プロジェクトを切り出して進行することで、結果として負荷を分散しつつ、短期間での移行が実現できました。
◆プロジェクト体制図

関わる人が多くなることで連携不足によるトラブルが発生するのではないか、という懸念がありましたが、その解決策として、各自が独立して進めるのではなく、プロジェクトを取りまとめる責任者を立て、問題が発生した場合は、都度調整を行い、担当ごとのタスクをまとめる事でこの課題を解決できました。

髙木様:
わからない事も多いため、対面でのコミュニケーションを重視いただいたおかげで、しっかりと信頼関係を構築しながら進めることができ、プロジェクト全体が円滑に進められる環境が醸成されたという印象を持っています。
特に各担当の方が、その時々の課題を丁寧に聞き取っていただいたのはもちろん、時には調整が必要な外部の企業との交渉もフォローいただきました。必要な情報をお渡しすることで設定作業の大半をお願いできたのは、本当に良かった点だと思っています。
外山様:
システムの領域のミーティングは専門用語が多く、用語の使用場面も少なくありません。そうした中でもDCSさんは、当金庫の目線に合わせた理解しやすい説明を常に心がけてくれて、状況を的確に把握できるように後押ししていただきました。当金庫にとってかけがえのない財産になる経験だったと思います。
葛西様:
当金庫では岩越さんがプロジェクトリーダーとして対応しましたが、今後を左右する大きなプロジェクトでしたので、実際にプロジェクトが進行する中で全員が一丸となって取り組んでいくべきことであると徐々に部内に浸透していきました。最初は正直リーダーの岩越さん任せの面があり、スタートの際はまだ全員が一丸という感じではありませんでした。
本気度や大変さは当初は伝わっていなかったので、嶋田さんに参加いただき、全体に呼びかけてもらうことで、本当に大変だということが徐々に伝わっていきました。困った時に嶋田さんが間に入ってくれたことは、本当にプロジェクトの成功にも欠かせない要素だったと感じています。

城北信用金庫様の課題であったDX化の後押しに
外山様:
当金庫では、人事給与分野の一部業務を紙ベースで運用している状況がありました。たとえば勤怠管理については、出勤簿に押印のうえ手書きで労働時間を記入し、月初に各部店の担当者が集計してデータ入力を行うという流れを、長年にわたり続けてきました。
PROSRVと連動して勤怠システムを導入することで、インターネット経由での各々による勤怠情報の入力を実現しています。リアルタイムで情報が更新されるため、オンタイムでエラーチェックが可能で、複数名で紙の記録を検証する手間がなくなり、承認作業や確認作業を行う人員のみで業務が遂行できるようになりました。様々な側面からクラウドシステムに移行した事で、全体的な業務効率が大きく向上しました。
実現したい事を適切に汲み取り、最適な外部システムの導入も支援
葛西様:
当金庫の人事システムの抜本的な見直しの中で、人事給与以外の人事管理システムも並行して導入を行いました。特に当金庫では、月間の給与処理人数は2,200名ほどおり、多くの対応を行っています。加えて複数の拠点があることや、役割によって業務内容が大きく異なるなど、人事部として人材の管理に苦労しています。タレントマネジメントについても以前から検討はしていましたが、導入には至っていませんでした。
当金庫のやりたい事をお伝えし、DCSさんからご助言いただいたものですが、「専門分野については、その道の専門家に任せるのが一番」の観点から、私たちが求める要件を満たす専門性の高いツールを採用する事で、高度な人事施策の実現が可能となりました。
なお、タレントマネジメントシステムの導入にあたり、他社のシステムだからと丸投げされることもなく、根本的な運用・導入設計から、データの取り込み作業に至るまで、DCSさんが中心となり進めてくれたので、PROSRVとの連携もスムーズに行える状態になりました。PROSRVの導入と同時に進めたことで、将来の運用を見据えた適切な設計になったと考えています。
今後も外部システムを導入する際には、外部インターフェースの作成が必ず必要になります。この分野に強い人材がDCSさんにはいらっしゃるとわかっているので、安心して導入計画がたてられます。
時代背景を踏まえDCSへのアウトソーシングが課題解決の肝に
・・・今後実現したいことについてもお話をおうかがいしました

外山様:
人材不足が加速する中で、将来的には「人事部が行う業務の外注化」を実現したいと考えています。コロナ禍をきっかけに「業務の継続性」について、議論が行われる機会が増えました。幸いにも、人事部門内では「もしも」の事態は発生していませんが、リスクヘッジの観点からも、もしもの時に短期間のスポットで業務の代行をご相談出来るサポート体制がある点も大きな魅力です。
◆人材不足の背景と対策
外山様:
「団塊の世代の定年」や「リーマンショックや当金庫合併時等の採用控え」による40~50代前半の職員数減、昨今の若年層の雇用流動化などが人材不足の背景と言えます。また、人事部門は50代が中心であり、現在の業務に従事している職員が定年を迎える10年先を見据えた行動が必要です。人事の業務は無くすことのできない業務であり、これらを解決できるのはアウトソーシングの活用やAIといったデジタル技術の活用なのかなと思っています。
◆職員に対する取り組み(働きやすさ・定着率向上・採用力向上)
葛西様:
職員が希望していた勤怠システムの導入をはじめ、年末調整のシステム化を実現しました。今後も他の専門システムを導入し、働きやすい環境を提供できれば、従業員満足度の向上につながるのではないかと思っています。小さな施策であっても今後もコツコツと定期的に実施することで、エンゲージメント向上につながると考えており、継続的に取り組んでいけたらと思います。
◆新制度では評価の透明性に重きを置き、働き方を変える
外山様:
人事考課の一番の目的は「部下の成長を促す」ことにあります。その人事考課やフィードバック面接が4月の定期異動等の繁忙時に行われるので、ついつい作業的になってしまいがちになると聞くことがあります。このような仕組みでは、成長につながる人事考課は難しいという課題がありました。
また、画一的に等級、役職等によって評価定義が決まっていましたが、本来、評価する内容(目標)は業務内容や経験年数により個人毎に異なっているのが一般的であると考えます。まずは、段階的に部門単位での評価項目を作っていく予定です。
なお、当たり前の事ではありますが、数値化の難しい定性的なスキルについても、適切に評価をしていきたいと考えています。日本全体の人口が減っていく中、いつまでも同じ働き方をしているわけにはいきません。職員も柔軟に変化を受け入れ働き方を変えていくことが必要だと考えます。
◆導入後に変わったことなど
岩越様:
まだ導入して間もないため、システム入れ替えの効果についてはこれから適切に分析をしていきますが、アウトソーシング活用による効果は目に見える形で工数の削減につながっています。直近では「ポータルサイトでの職員間の情報の共有」や「身上申請等のWeb化」の利用を開始しましたので、全体の工数を大幅に削減できました。今後は、働きやすい環境構築にシフトしていきたいと考えています。
DCSの導入コンサルタント嶋田より今回のプロジェクトを振り返って
嶋田:
今回のプロジェクトについて、成功のポイントとなったのは以下の3つです。
◆大規模かつ、時間的にも制約がある中でのプロジェクト進行
人事給与システムの入れ替えに加え、勤怠システム、タレントマネジメントシステムの導入を行う大掛かりなプロジェクトだった点です。現行制度を反映しつつ新制度へ対応させるなど、未来の動きも設計しながらの設定が必要であり、複雑かつ慎重さが求められ、かつ半年間という時間的制約もあるプロジェクトでした。そのため、当社としても、各分野に精通した担当者をアサインしました。
お客様とはもちろんの事、社内でも適切にコミュニケーションをとりながら遂行した事で、導入スケジュール通りに進行し、安定稼働を実現できました。
◆信用金庫特有の制度にも対応できる、システムの柔軟性
信用金庫様特有の制度ではありますが、信用金庫年金基金の計算式が複雑で、従業員の状況によっては個別で料率設定をかける必要があるなど、他のシステムでは対応が難しい項目もPROSRVのシステム柔軟性により設定できました。
◆お客様の求めている事は何かを改めて考えて、プロジェクトを推進
地域社会への貢献を掲げてビジネスを展開されている城北信用金庫様ならではのことですが、どの職員の方も対面でのコミュニケーションを大切にされている印象で、コミュニケーションロスによるプロジェクトの滞りなどはほとんどありませんでした。社内のキックオフミーティングでもお客様視点に立つことを、口を酸っぱくして言いました。特に横文字を使わずに分かりやすい言葉で対応することは徹底できていたかなと思います。

企業プロフィール

城北信用金庫様
東京都北区に本部を置き、全国有数の規模を誇る信用金庫。
職員数は約1,800名(処理2,200名)、預金残高2兆6,570億円、貸出金1兆3,094億円(2025年3月末現在)
東京都北区、荒川区を中心とした都内城北地区および埼玉県南東部等に本支店を持つ。
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