<導入事例>
IT運用業務のアウトソースにより
DX推進と“攻め”のIT戦略領域へのリソースシフトを実現

日本化薬株式会社 様

  • ERP
  • システム運用
  • 製造業
  • データ利活用
  • 基幹システムの刷新・BPR
  • 業務効率化
前列左から 日本化薬株式会社 籾井寛之様/井上亜希子様/末續肇様/原田雄彌様/小黒周一様
後列左から 三菱総研DCS株式会社 真家正典/坂本裕介/佐藤真/武田清

2024年3月取材
※所属、役職等の情報は2024年4月1日時点のものです。

テーマ

IT運用業務の課題をお客様視点で発見・改善・標準化し、DX推進を支援するマネージドサービスコンサルティング

期間

2022年1月~進行中

概要

情報システム部門が全社重要課題であるDX推進に注力できるよう、IT基盤、ERP、セキュリティを含むIT運用管理業務を現場視点でアセスメント、負荷軽減に向けた業務プロセスの改善から巻き取りまでトータルで支援

POINT 01

属人業務を手順化することで標準化のベースを構築、DX推進体制を早急に整備

POINT 02

IT基盤運用/ERP運用/セキュリティガイドライン対応を並行して支援

POINT 03

「守り」の運用業務の多くをDCSへ移管、さらなる支援領域の拡大と業務標準化に期待

「守り」のIT運用業務を切り出し、DX推進に向けた「攻め」のITに注力したい

情報システム部 デジタル推進担当 主管 原田雄彌様
情報システム部 業務システム推進担当 主管 原田雄彌様

原田様:
2016年に創立100周年を迎えた日本化薬は、産業用火薬の会社として設立。現在、自動車安全部品や偏光板などのモビリティ&イメージング事業、エポキシ樹脂など半導体関連材料や産業用インクジェットインクなどのファインケミカルズ事業、抗がん薬や農薬などのライフサイエンス事業を展開し、時代のニーズに素早く対応し変化することで、事業を拡大、継続してきました。

現在、中期事業計画「KAYAKU Vision 2025」の全社重要課題の一つとしてDXを掲げ、業務全体をより効率的かつスピーディーに変革することを目標に、デジタルデータやテクノロジーを活用した、IT基盤強化構想の実現を進めています。

末續様:
私は2021年8月に社外から合流し、IT基盤強化の実行フェーズを担当しています。情報システム部の人員は運用業務と並行して実行すべき新規ミッションも多数あり、どう考えても人が足りない。そこでまずは負荷の高い運用業務を切り出し、アウトソースする方針を定めました。

情報システム部門は、攻めと守りとよく言われます。当社はDX推進に向けて新たなツールの導入や、セキュリティ施策の強化、さらにはローコードによる業務アプリ開発の内製化など、さまざまな攻めの施策に取り組んでおり、ERPの更改というビッグプロジェクトも控えています。それに加えてこれまで通り、既存のインフラやシステムの運用管理という守りも、決して疎かにできません。そこで当初は、運用という守りの部分をアウトソースし、社員が攻めのプランニングや意思決定に注力できることが、狙いでした。

執行役員 情報システム部長 末續肇様
執行役員 情報システム部長 末續肇様

IT運用のアウトソース先として複数社にお声がけしたところ、いずれも、最初に現状把握と課題整理のアセスメントを希望されました。しかし当社は運用を回しながら、新たなテーマの活動も動き始めていて、そこに膨大な時間やコスト、なによりリソースをかける余裕はありません。さらにその中で手順書などのドキュメントを用意する余裕もありません。それならば、隣で一緒に仕事しながら運用を引き継いでもらうのが、もっとも効率的で自社に合うやり方だと考えました。その考えに賛同いただいたのが三菱総研DCS(以下、DCS)でした。とにかく急いでいましたのですぐにNDAを締結して、翌月の2022年1月にはITインフラとERPにまずは少人数で参画いただき、スタートを切りました。

OJT方式で手順書を取りまとめながらIT基盤運用業務をスムーズに移管

情報システム部 ITサービス推進チームリーダー 籾井寛之様
情報システム部 ITサービス推進チームリーダー 籾井寛之様

籾井様:
IT基盤の運用業務については、我々が日々行っている運用業務をOJT的に説明しながら、その内容を手順書にまとめてもらい、それを我々がレビューして整えていく流れで進めました。実作業も1回目は一緒に、2回目以降はDCSの方だけで作業してもらう手順で行い、スムーズに移管できました。

これまで、手順書などのドキュメント整備は日々の業務に追われて後回しになっており、それが業務の属人化につながっていました。DCSにしっかりとした手順を確立いただいたことで、その後の委託業務の拡大や引継ぎもスムーズに行えました。

業務領域との切り分けが難しいERP運用業務も無理せず移管

井上様:
ERP運用業務は、業務に踏み込んだ問い合わせが多くあります。特に当社はそれぞれ専門性の高い複数の事業を展開しているため、情報システム部が保守運用する上で求められる業務知識や対応範囲が非常に広いのです。そのため対応や回答がケースバイケースになることが多く、どうしても人に依存してしまったり、手順書に纏める難しさがありました。

そこで初年度は当社のメンバーが横に座りながら引き継ぎを行いました。ERPシステムに関する部分と業務領域の切り分けなどが難しく、最初からスムーズにとはいきませんでしたが、互いの役割を少しずつ見直すなど試行錯誤しながら、時間をかけて引継ぎを行いました。そして徐々に1次問い合わせをDCSへスイッチ。その後、現行システムの運用は完全にお任せして、我々は新システムのマイグレーション作業へと、人員リソースを無理なく移行できました。

ERPの更改は、2024年8月を予定しています。現在はDCSに旧システムの運用で培ったノウハウを生かして新システムへのマイグレーション作業にも加わっていただき、テストのシナリオ作りやチェックなどを行っていただいています。リプレイス後は、新システムの運用もDCSへ移行したいと考えています。

情報システム部 業務システム企画チームリーダー 井上亜希子様
情報システム部 業務システム企画チームリーダー 井上亜希子様

セキュリティ領域の対策支援も柔軟に対応

情報システム部 デジタル推進担当 主管 小黒周一様
情報システム部 デジタル推進担当 主管 小黒周一様

小黒様:
当社ではここ数年、積極的にDXを推進してきましたが、昨今増加しているサイバー攻撃への対策も並行して検討しなければならない状況に直面していました。ただ、セキュリティ領域に強みを持つ人材は、社内外含めて特に補強が難しい領域であり困っていた最中、DCSにご相談したところ、当社のセキュリティ対策へのご支援も柔軟に対応いただき、本当に感謝しています。

セキュリティ強化対応は、技術的な側面だけでなく、文書化やルール化も併せて実施しなければなりませんが、DCSにはシステム内外でのさまざまな判断に必要な技術や、知見などを補っていただき、また運用後のフロー検討まで、幅広くサポートいただき、非常に助かっています。

プロの視点で業務プロセスを整備、確実に運用を巻き取るDCSの対応を評価
今後、新領域への支援拡大とさらなる業務標準化に期待

原田様
原田様

原田様
DCSは運用開始時からExcelで各人のタスク状況を見える化するダッシュボードを作り、週次の定例会で引継ぎ状況を明確にしながら、進めてくれました。その後、ERPに関してはタスク可視化ツールを導入して問い合わせ記録を整理し、情報を蓄積することにより、問い合わせ対応のスピードアップと品質の向上に取り組んでいただいております。

どうしても社内の担当者は業務を個人で抱えて、自分がやりやすいように仕事をしてしまいがちです。DCSはそれらを第三者、プロとしての視点で見ていただける。きちんとプロセスとしてチェックできるやり方に変えてくれることで、属人化を防ぎ、抜け漏れもなくなる方向にシフトできた点が、大きなメリットと感じています。たとえばインボイスなど法改正への対応についても、どうしても日々の仕事に追われてできるところだけやる、といった対応になりがちですが、DCSはそういった点もレギュレーション化して、しっかり対応できるようにアドバイスしてくれます。今後、DCSの知見を生かしてさらなる業務の標準化、そしてナレッジ化に期待しています。

小黒様:
当社はここ数年で、さまざまなクラウドサービスを導入し、DX推進のための基盤整備を進めてきました。今後はこれまで整備してきた基盤をいかに利活用し、「本質的なDX」を進めていけるかが重要なテーマです。

また、さらなるセキュリティ強化やガバナンス強化も図っていくことになろうかと考えておりますので、DCSには、引き続き、運用を中心とした伴走型の支援や注力すべき領域の実行支援に期待しています。

末續様
末續様

末續様:
現時点で、当初目指した守りの部分をDCSの運用チームにほぼ任せられる状態になったことは、非常に大きな成果だと感じています。何かあった時に相談できる窓口があるというだけでも、以前とは安心感がまったく違います。今後、DXを推進する中で、この数年で新たに導入したものの維持管理が発生します。DCSにはこれらの管理についても一緒に考えて、守っていく役割を引き続き期待しています。

私は元ITベンダー出身で、お客様に育てていただいたという思いが強い。その経験から、こうしたプロジェクトは現場で醸成される一体感がすごく重要で、発注側と受注側、という関係では絶対上手くいかないと考えています。だからこそ、本プロジェクトではどちらが良い、悪いという視点ではなく、同じチームとして何が問題で、いかに解決するのかを建設的に話し合おう、といつも話して進めてきました。これからの時代、パートナーとユーザーがコミュニケーションを密にとって、一体になって共創することが非常に重要。そうして業務が軌道にのれば、業務のリモート化やDCSデータセンターへの運用移管など、さらなる効率化もDCSへ期待しています。

企業プロフィール

日本化薬株式会社 様

1916年の創立以来、基盤となる「火薬」「染料」「医薬」「樹脂」の保有技術を駆使して融合・変化させながら、時代のニーズに応える製品を提供。グループ従業員5,902名(2024年3月31日現在)、12の国と地域でグローバルに事業を展開。企業ビジョンである KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」の実現に向けてサステナブル経営を推進し、モビリティ&イメージング事業領域、ファインケミカルズ事業領域、ライフサイエンス事業領域で、持続可能な社会の実現に貢献している。

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