<導入事例>
金融機関におけるBPMとRPA開発
~住宅ローン業務の自動化および開発内製化を支援~
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 様
- RPA
- ローコード
- 金融向けサービス
- 金融業
- ロボティクス・RPA
- 業務効率化
- テーマ
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住宅ローン業務自動化
- 期間
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フェーズ1:2018年~2021年 / フェーズ2:2021年~
- 概要
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BPM、RPA等を活用した、住宅ローンの新規受付における事前審査、正式審査、契約・実行までの一連の事務手続きの自動化と、開発の完全内製化を支援
フェーズ1:Webルート対応 / フェーズ2:店頭および不動産業者ルート対応
- POINT 01
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BPM(Pega Platform)とRPAツールを活用した自動化システムを共同で構築
- POINT 02
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審査スピードの短縮、業務効率化、コスト削減、人的リソースの有効転換を実現
- POINT 03
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ノウハウの蓄積、人材育成および内製化支援で、金融系システム構築に貢献
人生最大の買い物を身近な銀行で。社会的意義のある「住宅ローン」業務の自動化に着手
坪井様:
マイホームの購入は、人生でも最大規模の買い物です。住宅購入を金銭面でお手伝いすることは、金融機関にとって大きな社会的意義があり、また重要な収益基盤の一つでもあります。
現在、三菱UFJ銀行では、住宅ローンビジネスの構造改革に取り組んでおり、2018年より住宅ローン業務の自動化プロジェクトを進めています。「人と紙」をベースにした業務プロセスを自動化することで、業務改善や効率化による収益の向上と、お客様の利便性を向上しようというものです。
具体的には、将来的なビジネス要求に対応できるよう拡張性を考慮し、先進的なBPM(※注1)とRPA(※注2)を活用した住宅ローン審査システムを構築しています。
住宅ローン業務は、複雑なうえに長期にわたります。これを統合的に管理できること、かつ開発効率がよいことを条件に様々な手法やツールを検討した結果、BPMにはローコード開発機能を持つ統合プラットフォームのPega Platformを採用することが決まりました。Pega Platformを使った業務フローの自動化は、今後幅広い業務領域において、海外拠点も含む全社的な活用を考えており、住宅ローン構造改革における開発は、その先駆け的な位置付けです。
住宅ローンの新規受付には、①Web経由、②店頭(銀行)経由、③不動産業者の仲介の3つのルートがあり、業務プロセスには「1.事前審査」「2.正式審査」「3.契約・実行」の3つの段階があります。今回のプロジェクトでは、フェーズ1としてWebルートの自動化から着手。まずフェーズ1.1で事前審査の自動化、フェーズ1.2で正式審査~契約・実行までの自動化を行いました。2021年8月にリリースされ、順調に稼働しています。続くフェーズ2では、店頭および不動産業者ルートの事前審査~正式審査~契約・実行の自動化に取り組んでおり、2022年7月リリースの予定で開発が進んでいます。
- 注1:BPM(Business Process Management)=業務の流れを可視化して課題を抽出・分析し、新しい業務プロセスで継続的に業務改善を図る管理手法
- 注2:RPA(Robotic Process Automation)=人がパソコン上で行う定型作業を代行・自動化するソフトウェア(ロボット)
同じ目線で目的を共有し、技術の習得と開発の内製化に取り組む
坪井様:
三菱総研DCSには、プロジェクトがスタートした2018年から参画いただき、Pega PlatformやRPAの開発要員の確保や人材育成に取り組んでもらいました。
フェーズ1.1のスタート当初は知見を有していませんでしたが、内製化を志向していましたので、三菱総研DCSとその目的を共有し、導入時に入ってもらったPega Platformに詳しいベンダーから積極的に技術を吸収しました。
與儀様:
三菱総研DCSは、我々と同じ目線、マインドで課題解決に取り組んでくれる心強い存在です。単に技術的に詳しいだけでなく、既存システムや業務部門のフローにも精通していて、想像力を働かせて、我々が判断しやすい状況を作ってくれるサポート力があります。
トラブル時には担当エリア外の影響にも配慮し、既存システムのメンバーとも連携して、関連システムに大きな影響が出ないよう努めていただきました。
池野谷様:
私はフェーズ1.2から一緒に仕事をしていますが、全体を俯瞰して、かつ深い部分まで見てくれることに驚きました。
おかげでリリース前に潜在的なバグを発見できました。ユーザ目線での提案や課題の解決力に、大きな信頼感があります。
辻野様:
私はRPAの開発全般を担当していますが、融資部でRPAを使うのは、住宅ローン業務が初めてです。
ノウハウがまったくない状態でしたが、デジタルエンジニアリング部ですでに
RPAを導入した経験がある三菱総研DCSが、その知見を横展開してくれて大変助かりました。
事前審査にかかる業務量を75%削減
坪井様:
現在稼働しているWebルートによる新規受付の事前審査の自動化ですが、ここだけでも従来の業務量の約75%削減に成功しています。
印刷物など紙の出力も、月間90%の削減を実現しました。フェーズ1.2、フェーズ2の成果はこれからですが、業務フロー内での作業量は明らかに減っており、人的リソースを営業に転換できるなど、プロジェクトの成果は確実に上がっています。
お客様の利便性も向上しました。従来は1日以上必要としていた事前審査が、最短2時間で完了。審査スピードが上がることでレスポンスもよくなっており、業務効率化とともに営業的にもプラスが生じています。
短期間、低コストで質の高い開発をするために必要なこと
小川様:
私は、フェーズ1.1およびフェーズ2のプロジェクトリーダーを務めています。フェーズ1.1の段階から将来を見据えた提案に、大いに助けられました。
とはいえ、ここまで順風満帆だったわけではありません。トライアンドエラーの連続で無駄なことや失敗も多く、時間もかかり、苦労しました。
その分、フェーズ2は短期間、低コストで、質の高い開発をしなければなりません。三菱総研DCSのメンバーには、やらなくてもよかったこと、逆にやっておけばよかったこと、苦労した経験を活かして、どんどん声を上げてほしいですね。
プロジェクトリーダーの目に映る「やらなくていいこと」と、開発現場が「やらなくていい」と判断することには差があるはず。その認識を合わせることで、
より効率よく品質の高い開発が可能になると思っています。
與儀様:
これだけの規模の開発を、複数件並行して進行するのは、想像以上に難しいです。フェーズ2では、会社の垣根を超えて問題点を共有していくことが、より重要に感じます。
三菱総研DCSへの評価と今後の期待
小川様:
技術的に高スキルかつ業務にも通じたメンバーが揃っているところ、それぞれが主体的に考えて提案する能力があり社内連携がスムーズなこと、これが三菱総研DCSのすごさです。
坪井様:
刻一刻変化するビジネス環境への対応と同時に、コスト削減や安心・安全なシステムの維持が求められる中、BPMやRPA開発に限らず、様々なスキルをマルチに有する要員が必要です。三菱総研DCSは、我々がめざすシステム開発に欠かせないメンバーです。中長期的なロードマップに基づき、拡張性、安定性を確保した次世代アーキテクチャの戦略を進めていくにあたり、引き続き力を貸していただきたいと思います。
2021年10月取材
所属・肩書は取材当時のものです
*Pega、Pega Platformは、米国およびその他の国における米国法人Pegasystems Inc.の登録商標または商標です。
企業プロフィール
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 様
三菱UFJインフォメーションテクノロジーは三菱UFJ銀行をはじめとする三菱UFJフィナンシャル・グループ各社のIT戦略を支える「金融×IT」のプロフェッショナル集団です。
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