サーバ1台で実現!COBOLバッチ処理を低コストで高速化
~「Asakusa Framework」、「M³ for Batch Processing」による並列分散処理~

三菱総研DCS株式会社

2020.12.03

  • お知らせ

三菱総研DCS株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:松下 岳彦、以下:DCS)は、並列分散処理技術を活用したCOBOL基幹バッチ処理の実証実験を行い、従来の処理方式と比較して、約20倍の高速化に成功しました。マイクロフォーカス合同会社(以下、マイクロフォーカス社)が提供する「Micro Focus Visual COBOL」と株式会社ノーチラス・テクノロジーズ(以下、ノーチラス社)が開発するOSSフレームワークである「Asakusa Framework」および、その実行基盤である「M³ for Batch Processing」を組み合わせたバッチ処理の高速化は世界初※の事例となります。
※当社調べ(マイクロフォーカス社、ノーチラス社への確認結果による)

検証内容

実証実験では、バッチ処理が長時間化しているCOBOL基幹システムを対象に、以下の内容を検証しました。

  • サーバ1台から適用できる並列分散技術を用いて、運用が高コストとなる大規模な並列分散処理基盤がない場合でも、低コストで処理が高速化することを検証
  • COBOLプログラムの分散処理化にかかる開発コストを抑えるにあたり、COBOL統合開発環境製品を活用して、既存のCOBOL資産をどの程度再利用できるかを検証

検証においては、並列分散基盤上で基幹バッチ処理を行うためのオープンソースJavaアプリケーション開発フレームワークである「Asakusa Framework」および、その実行基盤である「M³ for Batch Processing(エムキューブド® フォー・バッチ・プロセッシング)」を利用しました。また、COBOL統合開発環境製品として、マイクロフォーカス社が提供する「Micro Focus Visual COBOL」を使用しています。

従来環境(1台):COBOLプログラム|Micro Focus Visual COBOL|UNIX系OS。並列分散環境(1台):Javaプログラム|Asakusa Framework|Java SE Development kit|M³ for Batch Processing、Micro Focus Visual COBOL for x64/x86 Linux|UNIX系OS。
 
図 1. ミドルウェア/ソフトウェアスタック

採用技術の特徴、および検証内容の詳細については、こちらのレポートをご参照ください。

https://www.dcs.co.jp/itshowcase/media/tech_report/accelerate_cobol_batch_1.html

検証結果

  • 従来環境で6時間程度かかっていたバッチ処理が、並列分散基盤上では17分となり、インフラコストを抑えて約20倍の高速化に成功しました。
  • COBOL統合開発環境製品を活用することで、既存のCOBOLソースコードの約63%が修正なく再利用可能であり、開発コストを抑えた分散処理化に成功しました。

背景

2018年に経済産業省からDXレポートが発表されて以来、レガシーシステムをオープン化するレガシーモダナイゼーションの必要性は年々高まっています。その一方で、オープン化における課題として、プログラムをオープン系言語で再開発するためのコストが高くなる点と、メインフレームと比べて処理性能が低下しやすい点があげられます。
そこでDCSでは、オープンシステム上でも低コストで高速処理可能なバッチ処理基盤のサービス化を検討してきました。

今後の展望

レガシーシステムからの脱却を目指すお客様に貢献するため、基幹バッチの並列分散処理環境をクラウド上で利用できるソリューションとして、2021年のサービス提供開始を目指します。

※Visual COBOL は、英国、米国、およびその他の国における Micro Focus社、その子会社、関連会社の商標です
※Asakusa Framework™は、ノーチラス社の登録商標です。
※エムキューブド®は、株式会社フィックスターズの登録商標です。

今回の発表に際し、ノーチラス・テクノロジーズ社よりエンドースメントを頂いています。

三菱総研DCSがAsakusa Framework及びM³BPを用いたCOBOLバッチ処理の高速化に成功したことを歓迎します。
弊社はAsakusa Framework及びM³BP等の分散処理技術を活用した処理高速化による「レガシーシステムモダナイゼーション」を提案しています。
その代表的なテーマの1つである、COBOL資産の「モダナイゼーション」を検討しているお客様は、エンタープライズITで多くの実績を有する同社のソリューションに本検証結果がサービスとして加わることで、より容易に課題解決が可能となります。2021年のサービス提供開始を期待しています。

Asakusa Frameworkについて

Hadoop/Spark環境上での業務アプリケーションの開発を容易にするオープンソースフレームワークです。Java言語で書かれたアプリケーションコードを、分散環境で動作するアプリケーションへコンパイルし、独自の最適化も実施します。

Asakusa Frameworkについて

Asakusa on M³BPについて

Asakusa DSLを始めとするAsakusa Frameworkの開発基盤を利用して作成したバッチアプリケーションに対して、M³ for Batch Processing をその実行基盤として利用するための機能セットを提供します。小~中規模データサイズのバッチ処理で最高のパフォーマンスを誇ります。

※Hadoop,Sparkは、Apache Software Foundationの登録商標です。

三菱総研DCS株式会社について

銀行・クレジットカード等金融関連業務で豊富な実績を有する他、千葉情報センターを核としたアウトソーシングやBPO 業務等でも強みを持っています。また、会社創業時からご提供している人事給与サービスPROSRV は受託数約2,000 事業所とわが国トップクラスの実績を有します。2004 年からは、三菱総研グループの一員として一体的サービスを展開し、シンクタンク~コンサルティング~ソリューション~BPO の一貫したバリューチェーンをご提供できる日本でも数少ない企業集団として、お客様の企業価値向上の実現に取り組んでいます。

お問い合わせ

分散処理技術を活用したCOBOLバッチ処理高速化に関して

三菱総研DCS株式会社
〒140-8506 東京都品川区東品川四丁目12番2号
データテクノロジー部

E-mail:datatech@dcs.co.jp

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当リリースに関して(三菱総研DCS)

三菱総研DCS株式会社 〒140-8506 東京都品川区東品川四丁目12番2号 広報部

メールアドレス:kouhou@dcs.co.jp