データ分析を推進する際によくある悩み
- 役員から「データ利活用を全社で推進してほしい」との指示を受けたが、
何から手をつけたらよいかが、わからない。(経営企画部門) - DX推進を担うデータ分析人材を育成したいが何の研修を受けさせればよいか、
どのような育成ロードマップを作ればよいかわからない。(人事部門) - データ分析を行うメンバーが専門的で属人化しており、
データ分析のカルチャーが組織に根付いていない。(分析部門) - データが社内に分散しており、全社のデータ環境を
どのように整えるべきかわからない。(システム部門) - 社内にデータは溜まっているが、それを業務の課題解決に
どのように使えばよいかわからない。(ビジネス部門)
組織化成功には共通の法則がある
三菱総研DCSでは、1,200人以上のデータサイエンティストの育成をご支援してきました。
それらの実績から言えることは、
データ分析の目的やテーマが違ったとしても、組織化・定着に向けては共通の「成功の条件」があるということです。
データ分析を定着させる7つの条件とは?
データ分析を定着させる7つの条件のうち、3つをご紹介します。
- 条件1
- データ分析をするための明確なビジネス目標の設定
私たちがご相談を受けてきたケースで最も多かった失敗例は、ビックデータやAIの活用だけに目が行きすぎてしまい、
「データの箱」を作ることを優先しているケースです。
データ分析の環境はあるものの、使いこなせておらず、結局はデータ分析が定着していないというものです。
逆に成功しているケースでは、データ分析からもたらされるビジネス上の目標が明確であったことがほとんどです。
分析によって明らかにしたい仮説や課題があり、それらのビジネス目標の達成のためにデータ分析を活用しています。
また、分析ツールや分析環境についても、どのようなビジネス目標を達成したいかが明確であるため、適正な手法や規模が合理的に決まります。
データ分析によるビジネス目標の例
- 事業戦略の策定
- 既存サービスの付加価値向上/新規事業の企画/分析サービスの事業化
- 売上への貢献
- マーケティング施策の精度アップ/ターゲティング精度の向上/顧客分析によるクロスセル・アップセル
- コストダウン
- 業務プロセス分析/業務効率分析/定型作業ルール化・機械化/無駄な支出の分析
- リスク管理
- 与信管理の効率化/休退職者予測/事故防止/不正・炎上の予測
データ分析が活用されるためのプロセス
ビジネス目標の設定 |
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分析アプローチ設計 |
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分析データ準備 |
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分析・評価 |
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ビジネス活用 |
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- 条件5
- 分析への取り組みを人事制度に活用する
データ分析に関する知識や技術は多様な領域にわたるため、一足飛びに出来るようになるものではなく、着実に能力を育てていくことが必要です。
そのため、中長期的なモチベーションアップや適性判断のためにも、その企業ごとの公式なスキルマップがあると大変便利です。
三菱総研DCSでもデータ分析に必要なスキルマップとその育成のためのレポートを作成しており、人事にも活用しています。
それぞれの企業ごとに、分析担当者として求めるスキルアップと、それに伴うキャリアプランがイメージできるようになることで、より本格的にメンバーが取り組むように後押しができます。
また、金銭的な評価などでスキルアップを後押しすることも可能です。
いずれにしても、あいまいな評価基準では個々の裁量で学習を進めてしまい、バラバラな能力形成になってしまう可能性があります。
その企業として積極的に評価する能力を、客観的な評価軸で測ることがその後の組織の発展に不可欠です。
スキルマップと育成レポートのイメージ
公式スキルマップの人事への活用イメージ
- 条件7
- PoC/PoVによる小さな成功体験
いきなり最終的な成果を目指すと、データの取得範囲も大きくなり、分析期間も長くかかってしまいます。
そのため、まずは対象範囲を絞ったデータ分析の有用性の検証が必要です。
成功しているケースでは、ほとんどの場合、PoC(Proof of Conect) やPoV(Proof of Value)を数回積み上げ、
実際に有益なデータ分析ができそうか、またそれらがビジネス上の価値を生むかの検証フェーズを経ています。
検証フェーズの積み重ねは、データ分析が社内に浸透する後押しとなり、本格的な組織化に向けてスムーズな滑り出しを切るのに効果的です。
- PoC(Proof of Conect)
- 新しい技術やアイディアの実証を目的とし、実現可能性についての簡単な検証をすること。
- PoV(Proof of Value)
- 新しい技術やアイディアが実現可能で、業務や事業に導入する必要性(価値)があるかを検証すること。
PoC/PoVとチーム編成の推進パターン
1PoC先行先行してPoCを実施する
PoCを先行して行う場合、本格的な動きに入る前に、柔軟な目標設定や組織づくりが図れます。
PoC部分は外部の専門家を活用することで、社内の分析メンバーが育っていなくとも、精度の高い評価ができます。
2チーム編成先行チーム編成の後、PoCを実施する
先にチーム編成を行う場合、PoCのテーマをより現場のメンバーが主体となって考える経験ができます。
また、本番の組織へもスムーズに移行できます。分析経験が少ないメンバー構成だと、分析の品質が落ちることがあります。
すべての条件については、下記のノウハウ資料ダウンロードから確認することができます。
データ分析組織化に向けたロードマップ
データ分析組織を本格的に立上げるにあたっては、PoCを積み上げ徐々に横展開をしながら、
対象領域を広げ、本格的な組織として独り立ちするのが一般的です。
ビジネス目標の設定
データ分析が最終的なゴールとするビジネス目標とその成功基準を設定する
PoCの実施
ビジネス目標に近づくためのPoCテーマを設定し、スモールケースでデータ分析をビジネス活用につなげる
PoCサイクルでうまくいったケースを他の部門やテーマに展開し、小さな成功事例を積み上げる
組織化と全社的なデータ分析活用に向けた準備
PoCにめどが立ったら本格的に組織化するための準備を行う
分析の本格化
より高いビジネス目標を達成するための本格的なデータ分析アプローチ・データ分析基盤を整備する
データ分析が文化として組織へ根付く
三菱総研DCSのデータ分析実績
三菱総研DCSでは、データ分析を組織に定着させるために、DXやデータ分析利活用を社内で定着、組織化、
推進するための様々なサポートをさせていただきます。
区分 | 業種 | プロジェクト支援例 | 支援内容 |
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データ分析 | コンサル | 休職者抑止のための予兆検知 | PoCにおける機械学習モデル構築の支援。 |
運輸 | 各種トランザクションデータを用いたマーケティング分析支援 | お客様の分析組織立上げからご支援。年間約1000件の分析依頼を対応。 | |
基盤構築 データ分析 |
大学 | 学生の行動分析、退学抑止のための予兆分析 | 仮説設定協議からデータ加工、分析モデル構築、分析結果レポート作成など。 |
特殊法人 | 顧客満足度向上やリピーター増加施策のためのマーケティング分析支援 | クラウド環境での分析基盤の構築と、来場者分析、施策効果分析の運用支援。 | |
教育 | 会員向けサイトの投稿内容チェックの業務負荷軽減 | 投稿内容の自動判定をAI判定モデルの開発とWeb API開発、PoC/PoV支援。 | |
教育・研修 | 金融 | データドリブンで業務を遂行するための全社的な分析者の育成とサポート | 要員別スキルマップ作成、レベル別研修カリキュラム策定、実務でのマンツーマンサポート |
三菱総研DCSのアナリティクスサービス
三菱総研DCSでは、データ分析を組織に定着させるために、DXやデータ分析利活用を社内で定着、組織化、
推進するための様々なサポートをさせていただきます。
区分 | メニュー | 内容 |
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コンサルティング | 分析プロジェクト企画支援サービス | 分析プロジェクトの企画段階からフィジビリティ検討のご支援をします。 |
データ分析 | 分析PoCサービス | 業務データを使用して、分析モデルのプロトタイプを作成し、分析精度を検証します。 |
分析PoVサービス | 分析モデルを使用した業務サイクルの有用性とフィジビリティスタディをご支援します。 | |
分析支援サービス | 弊社のデータサイエンティストがデータの可視化やモデル作成、運用業務の支援を実施します。 | |
AI利活用支援サービス | 機械学習を活用した予測モデル策定などのご支援をいたします。 | |
基盤構築 | 分析基盤構築サービス | 分析モデルを実装するためのアプリ開発や、分析基盤の構築を行います。(オンプレミス/クラウド) |
分析環境移行サービス | 既存の分析環境から新しい分析環境に移行するためのご支援をいたします。 | |
教育・研修 | ビジネスデータ分析入門 | 1日でデータ分析の考え方や代表的な統計手法の知識を習得します。 |
データ解析基礎講座 | Rを使ったデータ分析の流れを実習を通じて体得します。 (オンライン版も提供しております。) |
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ビジネス・アナリティクス人材育成支援サービス | 集合研修とオンサイトサポート、組織の見える化を組み合わせて分析人材育成を支援します。 |
各ご支援メニュー内容の詳細のご説明やお見積りなど、お気軽にお問い合わせください。
これらは実際に私たち三菱総研DCSがご相談を受けたことがあるデータ分析に関するお悩みです。
みなさまにもお心当たりがあるのではないでしょうか?
データ分析を取り巻く部門・メンバーは多種多様です。
そのため、データ分析の技術だけを身につければ、データ分析がうまくいくわけではありません。
社内のあらゆる部門と連携をしながら、データ分析を社内にしっかりと定着させることで、
はじめてデータ分析のメリットを最大限得ることができます。