INTERVIEW

自ら企画・発信し、プロジェクトを始動させた
「コミュニケーションロボット」の開発。

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Y.Nishioka

テクノロジー事業本部
デジタル企画推進部
入社19年目 政治経済学部政治学科卒

My Work

私が所属するデジタル企画推進部は、新技術の調査・研究や、新技術を利用した新しいサービスの企画などを担当する部門です。私はその中で、「コミュニケーションロボット(NAO)」を使った新たな取り組みのリーダーを担当しています。「NAO」は受付ロボットとして利用されることが多いのですが、私たちが対象としているのは介護分野。介護士の代わりにレクレーションやクイズなどのゲームを提供したり、一対一で対話する機能を持たせるたりするなど、先進的な介護ロボットの開発を進めています。また同様に、学校の教育支援を目的とした実証実験も進めています。

Interview01

どのような経緯で「コミュニケーションロボット」に携わるようになったのですか?

このプロジェクトは、「自分発信」でスタートしたものです。以前、ある医療関係の外部イベントに、プレゼンテーション役のロボットとして「NAO」を使用。その際、小児科医の先生から「入院している子どもたちにNAOを見せてあげたい。ロボットのセラピー効果に期待している。」という言葉をいただきました。それをきっかけに「コミュニケーションロボット」を調査・研究した結果、特に介護分野でニーズがあることが判明。自ら手を挙げて「介護分野のコミュニケーションロボット活用に取り組みたい」と企画・発信し、それが受け入れられてプロジェクトは始動しました。

Interview02

具体的には何から着手したのでしょうか?

他社が手がけている既存の介護分野向けコミュニケーションロボットの調査を進めつつ、ターゲットの一つにしたのは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による案件の採択でした。AMEDは、医療分野における基礎から実用化までの研究開発を支援する組織であり、各課題の取り組み案件を広く公募しており、採択されれば、開発支援として補助金が支給されます。このAMED採択に向けて企画提案書を作成、厳しい審査をクリアして採択されたことで、プロジェクトに弾みが付いたと思います。採択決定は外部から確かな評価を受けた証であり、有効性が認められたということ。社内的にも、私たちの取り組みに対して肯定的な空気が強くなったと思います。

Interview03

どこに新規性がある「コミュニケーションロボット」なのでしょうか?

今までの介護分野向けコミュニケーションロボットは、主に介護される高齢者への効果が評価されるものでした。もちろんその効果も重要ですが、私たちはそれに加えて、介護士の方にとっての利便性、負担軽減などの効果に着目しています。たとえば、高齢者とロボットが一対一で対話し本音を引き出すような新しいコミュニケーション機能などを設けている点です。高齢者に向けた介護ロボットではあるものの、実際の利用者は介護士の方。介護士の方にとって必要な機能を取り込んで、広く普及させていきたいと考えています。技術的にはAIのプラットホーム上で作動する、受け答えのシナリオ(辞書)を作成。画像による個人識別や音声による感情識別の機能の取り込みや対話ログの効果的な見せ方などに取り組んでいます。

Interview04

学校の教育分野ではどのような取り組みなのか教えてください。

現在、英語教育の支援ロボットとして実証実験中です。小学校で英語科目が必須化される状況があり、英語の基礎学力定着につながるような「コミュニケーションロボット」を創造したいと考えています。ただ現状の問題は、ロボットの発音も聞き取りもNativeであるため、正しい発音で話しかけないと双方向のコミュニケーションが難しいこと。その為、ロボットからの一方的な発信に留まっています。今後、新しいアイデアや発想で、より柔軟に対応できるロボットへと進化させていきたいと考えています。

Interview05

仕事を通じて思い出に残るエピソードを教えてください。

仕事を通じた「人」との出会いです。あるグローバルソフトウェア企業の女性幹部とお会いする機会がありました。一人はアメリカ本社の方。控えめで周りを立てる、落ち着いたおおらかな方でした。もう一人は日本法人の方。朗らかでチャーミング、気配りが素晴らしい方でした。お二人の姿に触れ、謙虚でありながら自分らしく、自然体であることの素晴らしさを実感。また、「仕事を通じて何かを成していく」という主体性を改めて意識するようになりました。その後の私の社会人人生に大きな影響を与えた「人」との出会いでした。

Interview06

将来の目標を教えてください。

私が目指しているのは、「調和」を体現し、「調和」を保つ要の存在となること。仕事としては「自由」「挑戦」「責任」の調和であり、会社人としては「個」と「組織」の調和、ものづくりにおいては「企業」「研究機関」「現場」の調和です。プライベートでは3人の子どもを出産。育児をしながら働き続けてきましたが、そこでも「仕事」と「育児・家庭」の調和を大切にしてきました。また、ロボットなど興味のある新しいテーマにチャレンジする場合、一つの答え(成果)を導き出す必要があります。そのためには徹底して考えること、そして本質をとらえることが重要だと考えています。今後、今回のプロジェクトのように社会の役に立つものを生み出しつつ、後輩の道をつくるのも自分の役割だと自覚しています。

Schedule

メールチェック、一日のスケジュール確認。
社内打ち合わせ。ソフトウェア開発状況確認。
PJ管理資料の作成、更新、確認。(計画、費用管理、各種社内手続きなど)
同僚とランチ。
資料作成。(実証実験先や社外アドバイザーとの打ち合わせ資料、企画書、報告書など)
外出。パートナー企業との打ち合わせなど。
退社(直帰)

Offtime

子ども時代に習っていた電子オルガンを、娘と一緒に再び習い始めました。好きな曲を好きなように弾いている時間は、無心になれますし一番のリフレッシュ。何よりも、楽しいですね。また本を読むことも好きです。小説中心ですが、細切れ時間の積み重ねで、年間100冊ほど読みます。

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