DXを実現する基幹システム刷新
~DXシフトに先だった基幹システム整備の必要性について~

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DXを進める上で、データを最大限活用すべく新たなデジタル技術を適用していくためには、既存のシステムをそれに適応するように見直していくことが不可欠です。
データを活用しきれず、DXを実現できないと、市場の変化に対応してビジネスモデルを柔軟・迅速に変更できず、デジタル競争の敗者となってしまうかもしれません。今回はそのような事態を回避するための「DXシフトに先だった基幹システム整備の考え方」についてご紹介します。

基幹システムの変遷と今、基幹システムに求められる「データ基盤」

ビジネス環境の変化とICT技術の進歩に伴い、基幹システムの役割・位置付けも大きく変わってきています。
(ホスト/オフコンによる一括集中 → C/S方式の分散型 → グローバル統合も含むERP集中管理型 →コンポーザブルERPによる適材適所型)
三菱総研DCS(以下DCS)ではシステムやパッケージ製品のアーキテクチャよりも、まず、経営判断に必要なデータが「早く」「正確に」取得・集計/分析可能な「お客様にとって最適なデータ基盤となる基幹システム」とは何か?をご提案します。

また、経産省のDXレポート(*1)が「企業がデジタル化を進める障壁は、複雑化したり、ブラックボックス化したりする基幹システムにある」と指摘しているように、現在、そしてこれからの基幹システムは、DXのための基盤(データ基盤)としての役割を強く求められています。
それでは これからの基幹システムをどのような方針で検討すべきか?、順に整理していきましょう。

  • 参照:経産省公表「DXレポート(2018/09/07)」 および 「DXレポート中間取りまとめ(2020/12/28)」
基幹システムの変遷と今、基幹システムに求められる「データ基盤」

レガシー(旧来型)システムの抱える課題

経産省のDXレポートに記載されている課題と当社のこれまでの経験値をまとめると、レガシーシステムのままでは、以下のような「足かせ」があることが見えてきます。


  • つながらない
    個別最適を優先した結果、システムが複雑化、企業全体の情報管理・データ管理が困難となり、データ、情報資産の連携が難しく活用しきれていない。
  • 見えない
    ユーザー企業におけるIT人事の不足が深刻な課題。業務プロセス、周辺システムとの関係を明確にし、あるべきシステムのビジョンを描ける人材は限定的。
  • 広がらない
    レガシーシステムは長期的に運用費や保守費が高騰しているものが多く、技術的負債となり、攻めのIT投資に資金・人材を振り向けることが困難。
  • 見つからない
    システム全体が一体化した古い開発技術は、メンテナンスとともに肥大化、複雑化し、時間の経過とともにレガシー問題を発生し、ブラックボックス化していく。
  • 共有できない(属人化)
    大規模システム開発の経験者が定年退職の時期をむかえており、ノウハウが失われ、システムのブラックボックス化がおきている。

ERPパッケージ選定の普遍的な視点

上記課題を解決するための必須条件を満たすこれからの基幹システムの有力な選択肢としてERPパッケージが考えられます。その理由は、元々ERPパッケージはマスター管理に秀でていることに加え、先進テクノロジー(AI,IoT,RPA,クラウド等)やエコシステムなどとの連携性に強みがあるためです。

ERPパッケージの選定に際しては、コストばかりに着目せず、総合的な視点(評価項目)で判断することが必要と考えます。
まず、ERPパッケージ選定の評価項目・ポイントを、基幹システムとしての安定性・信頼性という視点でまとめてみました。

 
分類 評価項目 評価ポイント 備考(列・指標など)
基幹システムとして
の安定性・信頼性
機能範囲 統合型ERPであること 会計に加え、販売管理・プロジェクト原価管理を標準として有している
適合性 日本的商習慣に標準対応していること 国産パッケージであり、会計の適合率は、平均で90%以上
グローバル対応していること 多言語多通貨対応済み
導入実績 ”日本国内で”一定数の実績があること 300社以上の導入実績あり
ベンダーサポート 法令改正時等への迅速な対応 パートナーを通じて最新パッチが提供される
オペレーションが確立している
障害対応 国内に技術者が多数在籍している


次世代の基幹システムが備えるべき必須条件

次に、ERPパッケージ選定の評価項目・ポイントを、DX対応可能なデータ活用基盤という視点でまとめてみました。
特に “DX戦略への適合性“、”継続性/信頼性”、“変化への対応力”は、DX基盤として重要な評価項目となります。

  • 各業務プロセスと適切にマッピングされたマスタ管理が継承されること。
  • 外部サービスを含む他システムとシームレスにデータ連携できること。
  • 事業環境の変化やICT技術の進歩に合わせ、柔軟に対応できるアーキテクチャーを採用すること。
  • どこにどんなデータがどのように格納されているのかが明らかで、活用の自由度が高いこと。
 
分類 評価項目 評価ポイント 備考(例・指標等)
DX対応可能な
データ活用基盤
接続容易性 様々なシステムやサービスとの接続性が容易に行える 他社製パッケージやクラウドサービスとの連携多数あり、さらに増加方針
プロセス可視性 業務を一気通貫で把握・俯瞰が可能であり、プロセスのボトルネックを発見できる ワークフロー機能標準装備
AI可用性 AIや機械学習を活用し予知・予測・最適化が行え意思決定の支援や自動化ができる 全データが統合化されており、類推エンジンとのデータアセスメント不要
適用性 必要なデータを必要なタイミングでユーザーに届けることができる パッケージ内部のDBが公開されており、柔軟なデータ抜出が可能
データ活用基盤があれば、例えば企業内のバリューチェーンにおいて、過去の販売実績やSNS等から消費者ニーズをタイムリーに補足し新製品を開発したり、過去の需要パターンから販売予測を行い生産・在庫計画へ反映したり、リードタイムを可視化しボトルネックプロセスを把握したり、消費者の評価や声を分析しサービス改善につなげたりすることができます。

さあ、何から始めよう!?

DXありきで新しいテクノロジーを活用しようとしたために、肝心のデータを収集できない、または存在せずにプロジェクト停止となる事例が散見されます。
DCSでは「データアセスメント」「グランドデザイン」として、システム企画からご支援することが可能です。
まずは現状業務、システムを棚卸し、ERPやSaaSなど汎用パッケージ製品で対応する業務、スクラッチや専門パッケージなど独立した機能として対応する業務、AI等新しいテクノロジーを活用する業務のすみわけを行います。
業務のすみわけを整理した後に実装手段を検討することとなりますが、DCSはデータ基盤に適したERPパッケージとして、Biz∫を推奨しています。
販売、会計、プロジェクト原価、人事等、幅広い業務に対応しており、業界特有または個社固有業務に対してもBiz∫のアプリケーションプラットフォーム上に生産性高く開発できる仕組みがあります。
パッケージとしても様々なSaaSサービスとの連携を進めており、さらにはDBが公開されているため、データ活用に向いています。

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