TALK SESSION|研究開発チーム篇

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TALK SESSION|研究開発チーム篇

Introduction

ランサムウェアをはじめ、サイバー攻撃の脅威が社会的に注目を集める中、企業のセキュリティ対策への関心が急速に高まると共に、お客様から「セキュリティインシデント(セキュリティ上の脅威となる事象)」の対応に関するご相談も増加していました。一方AIを活用した業務支援技術も日々進化を続けています。そういった背景からデータテクノロジー部では、この分野への対応力強化を検討。2025年1月より、セキュリティ領域における業務支援機能や生成AI機能の実用性の検証を目的とした研究開発プロジェクトが始動。今回その中心メンバーとなった5人が集まり、当時の思いやそれぞれが得たものなど、プロジェクトについて振り返りました。

メンバー:左から、松尾 2011年入社(法学部 出身) 本プロジェクトではプロジェクトの質の向上を目的としたレビュー(各種意見提起)を担当。/ 平井 2019年入社(経済学部 出身) 本プロジェクトでは主にAI機能に関する検証を担当。/ 太田 2008年入社(情報環境学部 出身)本プロジェクトではプロジェクトマネージャーを担当。 / 永井 2003年入社(工学部 出身) 本プロジェクトではレビューを担当。/ 吉田 2023年入社(理学部 出身) 主にAI・セキュリティ領域に関する調査・検証を担当。

※全員、テクノロジー部門 データテクノロジー部 所属
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです。

未知の領域に挑んだ 研究開発プロジェクト

太田

太田

お客様のセキュリティ対策への関心が急速に高まる中、データテクノロジー部でも実際にご相談をいただくケースが増え、対応が急がれるということで動き出した研究開発プロジェクトでしたが、文字どおり“未知の領域”へのチャレンジだったかと思います。みなさんは当初どんな思いで参加しましたか?

吉田

吉田

当時は入社2年目ということもあり、私自身は多方面でセキュリティインシデントが起きていて、それに対して対策が急がれている状況に関して、あまり意識したことがありませんでした。そのため、まずはそういった背景について知るところからのスタートとなりました。同時に、通常の開発と違い明確なゴールの設定が難しそうだなと感じました。

平井

平井

最初はAI機能のセキュリティ領域への応用というテーマにワクワクしました。ただ、触れたことがないものだったので難しそうだなという不安な気持ちもありました。太田さんから「リーダーシップを発揮してほしい」とお声がけいただいたこともあったので、自分だけでなくメンバー全体の状況把握やサポートも心がけねばという気持ちも強くありましたね。

松尾

松尾

私は調査内容やテスト結果についてレビューを行う立場で参画していたので、少し客観的なところから見ていこうという意識を持っていました。注目を浴びている分野ですが、その度合いと技術のめまぐるしい進歩に対して企業単位での実用については遅れを取っている印象があったので、このプロジェクトを足がかりに業務の中でも気軽にAIを活用できることを明確にし、お客様の業務効率化に貢献できたらと感じました。

永井

永井

私も松尾さん同様、レビュアーとしての参加だったので、同じような点を意識していました。このプロジェクトが始まる以前から、お客様のところで「セキュリティインシデントの領域に関してどういったことができるのか?」と問い合わせを受けることが多かったです。そのため今後どうやって解決できるのか、我々から何が提案できるか、という観点でお客様が求めていることを取りこぼさないレビューをしよう、という思いを抱いていました。

研修から周囲のサポートまで成長できる機会がたくさんある

チームだからこそ、 たどり着けた

太田

太田

このプロジェクト最大の課題は、“新しい領域に対して、どこまで実業務に結びつく検証ができるか”でしたよね。新しい領域や抽象度の高いテーマの場合、表面的な機能確認にとどまりがちで、実際の業務にどう活かせるかという部分が抜け落ちてしまうので、今回は技術的な理解だけでなく、業務として活用可能なレベルまで落とし込めるかが大きな挑戦でしたね。

永井

永井

レビュー会の中でも、業務観点での有効性が判断できないケースが多数発生しましたよね。その解決策として、有識者が集まる社内の別部署へ協力を仰いだのはこのプロジェクトにおけるひとつのターニングポイントだったように感じます。即座に関係部署への協力を取り付けていただいた太田さんのファインプレーですね。

平井

平井

そうですね。セキュリティ分野の知見がある方々にヒアリングを実施して、世間で一般的にかかる時間や抱える問題について調べていくことで評価基準を設けることができたことは、実業務に結びつく検証を基に今後提案導入を見据えていく上でとても大きかったように感じます。

吉田

吉田

私は製品について少しずつ調べながら、どこまでわかっているか、ここを詳細にすればどのようなことがわかるのか、という部分を明確にしながら調査の方針をすり合わせていくことを心がけていました。一方で、自分一人では気付けなかった観点や前提、アイデア、方法論を知ることができ、チームだからこその可能性を感じました。

松尾

松尾

各メンバーが自主的に学び、必要と思うアプローチを考え、すぐに行動に移しながら随時共有し合えたことは、プロジェクトを成功に導くために必要な追加アクションを明確にし、改善していく上でとても重要だったと思います。レビュアーとしての関わりでしたが、このチームがどんどんと底上げされていっているように感じていました。

プロジェクトを通して、それぞれが得たもの

プロジェクトを通して、 それぞれが得たもの

平井

平井

ご要望やゴールが明確な開発案件と違い、「そもそも何ができるのか」という部分から取り組んでいった研究開発のプロジェクトは、本当に難しいものだったと改めて実感しています。しかし、仮説を立てて検証し、定量的な指標を作っていくプロセスを繰り返すことで、目指すゴールに着実に近づいていけましたし、個人としても分析力や言語化力、またリーダーシップの面で成長できたと感じています。

吉田

吉田

私自身、「木を見て森を見ず」なところがあるので、みなさんとの協働で気付かされるところがたくさんありましたし、視野を広げることができたと感じています。今回のような研究開発プロジェクトに参画したことで、最終的な目標やゴールに向かってプロセスをどのように踏んでいけば良いのか体感できたことは、とても有り難かったです。

松尾

松尾

未知の領域ということで、そもそも自分がどうやって業務活用したらいいのかイメージがない中でのレビューとなったのですが、知識を吸収したり、調査報告を聞いていく中で、自分自身もアップデートしながら取り組めた気がします。IT業界は常に新しいことにチャレンジし続けなければならない業界ですので、私自身刺激を受けましたし、改めてチームで取り組むことの意義を感じたように思います。

永井

永井

今回AIに触れたのは初めてでしたので、どういった機能があり、どう実装されているのかなど、学ぶところがたくさんありました。加えて、今後それをどうお客様に提供していくのかという観点では、まだまだここから積み上げていく必要があると思っているので、今回のプロジェクトを経てその道筋を具体的に立てていければと思っています。

太田

太田

こうしてみんなが考えていたことを聞けて、やってきたことは間違っていなかったなという思いがあります。最初は手探りでしたが、回を重ねるごとに互いがそれぞれの良いところを取り込んで、チームとしての一体感が高まっていき、全員で共通の目標を意識しながら各自が役割を果たすことができたと感じています。一人ひとりはもちろん、部署としての成長にも確実につながっているので、今後は研究開発の成果をより具体的な形でお客様に提供できるよう、事業・サービスづくりに活かしていきたいですね。

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