データ分析プラットフォームのケーススタディ

2019.06.20

  • データ活用・アナリティクス
  • データ利活用

データ分析プラットフォームの設計や構築について、プロジェクトで押さえるべきポイントをご紹介いたします。

デジタル化は年々拡大をしており、企業内において取り扱うデータ量は日々増大しています。また、非構造化データの取り扱いも増えており、データ分析プラットフォームに求められる要件はますます厳しいものとなっています。自前で構築した分析基盤では、なかなかうまくいかなくなってきたと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
データ分析プラットフォームの実態は活用目的に合わせた要素技術の集合体です。そのためデータの質・量をはじめ、データ活用の運用全体を見越した設計や構築が成功の鍵を握ります。
当社では、分析に必要となる要素技術に対して高い網羅性、拡張性を有するSAS製品を活用してサービスをご提案する場合が多いです。

構成図・データ分析プラットフォームの範囲

当社では、ビッグデータに関連する各要素技術それぞれを熟知し、お客様の要件に合わせて最適な設計ができる技術を保有しています。また、60名を超えるデータサイエンティストがデータ解析の支援をはじめ、分析の自走化に向けたデジタルドリブン型の組織づくりに貢献してきました。

これらの経験から「これからデータ分析プラットフォームを拡張する」「新たにデータ分析プラットフォームを構築する」といったプロジェクトにあたっては下記のようなポイントを押さえる必要があると考えます。

①どのようなデータがどのくらい必要かの見極め

戦略構築・実行のために蓄積すべき社内外の整理を行い、どのようなデータをどの程度プラットフォーム上に保持すべきか見極める必要があります。特に、社外のデータと連携した分析を行う場合、非構造化データも含めた多様なデータ取り込みが必要となる可能性があります。データの量・質の正確な把握が最適な設計を実現する第一歩となります。

  • 内部データの例
    基幹システム、BI、会計データ、CRM、SFA、MA、購買データ、顧客データ、CS調査データ、アクセスログなど
  • 外部データの例
    SNS、口コミデータ、各種経済指標、市場データ、地図情報、天候情報、各種センサーなど

②データ活用目的に合わせたシステムサイジング

データ分析プラットフォームを構成する要素技術は「集計」「可視化」、「分析」「機械学習」など多岐に渡ります。将来的なデータ活用のイメージに合わせて、初期導入時の最適な構成と拡張性を考慮する必要があります。最初から巨大なシステムを構築し、維持コストとデータ活用成果が見合わない、お客様にとって「使いきれないシステム」とならない事が設計時に最も考慮が必要なポイントとなります。
実際の支援例では、多面的な分析ができ拡張性が高い基盤の設計を実現するために、データ量に左右されないMPPDB(massively parallel processing Database)を構造化データの格納先として使用。非構造化データにはクラウド上でHadoopを利用し、スケールアウトしやすい設計にするなどの工夫をしています。
また、データ量がパブリッククラウドでは扱えない規模になれば、InfiniBox®などの大規模ストレージをクラウド上に導入するなどのケースもあります。

InfiniBox®

③分析アウトプットの具体的な想定

どのように分析基盤を活用し、実際の分析テーマを扱うかを具体的にイメージしておくことが大切です。実際にデータ分析プラットフォームを利用する業務担当・分析担当にとって使いやすいデータ分析プラットフォームである必要があります。当社ではデータ解析を実際に行うアナリティクスチームがあることから、分析テーマに踏み込んだご相談・ご支援が可能です。
ご支援のケースでは分析からさらに進んでMarketingAutomation活用により分析とシームレスな施策展開を実現するケースもあります。分析で得られた結果をプロモーション管理・コンテンツ管理へ共有し、スピーディにEメール・スマホアプリ・Webサイトに反映させることができます。分析結果をユーザーに還元することで、ユーザーにとって利便性が向上するだけでなく、キャンペーンのPDCAを高速に行うことが可能になります。

  • 分析基盤
    機械学習、統計解析、レポート作成・共有、データマート、アドホック集計、OLAP、ETLなど
  • 分析テーマ例
    顧客行動モニタリング、離反要因分析、リテンション要因分析、コミュニケーション分析、Web行動・SNS分析、商圏分析、キャンペーン分析、売上予測、購買行動予測、離反・リテンション予測、施策効果検証など

④無理のないデータ移行設計

大規模なデータ移行や各種データの集約には、文字コードや型だけでも大変気をつかいます。また、移行期間にそれぞれのデータ元となるシステムやデータベースに過度に負荷をかけないため慎重な計画策定が必要となります。巨大なデータを扱うデータ移行方法、データ移行スケジュールの設計には慣れた人材が多数おり、過去のご支援のケースでもご評価いただいております。

⑤データドリブンの組織づくり

データ分析は、活用されてはじめて事業としての成果を生みます。そのためデータ分析の活用やお客様自身でアウトプットを自由に出力できるようにするところまで見越したプロジェクト設計が重要です。
当社では、アナリティクスサービスとしてデータ解析をご支援するだけでなく、統計や分析ツールを使いこなすことができる人を増やすご支援をしてきました。単なる座学ではなく、実際の自分たちのデータを用いて、データに基づく施策展開・レポーティングを積み上げることで実務に貢献できるデータサイエンティスト育成の事例もあります。各社の分析部門の成長度合いに合わせたご支援が実現可能です。
(以下、「アナリスト育成」のリンクからじぶん銀行様の事例をご参照ください。)

以上のようなポイントを押さえてデータ分析プラットフォームを計画することで、事業に貢献できるデータ分析基盤となるはずです。
当社サービスとの連携では、先にご紹介した


に加え、
  • AIモデル作成支援サービス
    (AI・機械学習のモデル作成支援)
  • RPA導入サービス
    (定型業務の効率化・バックオフィスの支援)
  • AI活用サービス
    (AI対話型エンジン活用コンサルティング・導入)

など、さまざまな技術・サービスの組み合わせバリエーションが設計できます。

当社では、データ分析プラットフォームの構築はもちろんのこと、データに強い人材育成・組織づくりをはじめ、アウトプットとなるAIの活用など拡張性の高い総合支援を実現してきました。さまざまな角度からデータに強い人材が豊富に在籍しておりますので、データ分析やデータ分析基盤の構築でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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