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コラム

企業の重要課題“生産性の向上”を
視野に入れた真の人事DX、次の一手とは?

2023 年8 月30 日

 少子高齢化に伴う労働人口の減少など、経済低迷に直結する社会課題を抱える日本。AIやIoTといったデジタルテクノロジーを活用し、企業価値や生産性を向上させることがポストコロナの経済再生には不可欠と言われてきました。
 こうした背景から企業成長や組織変革につながるDX推進に取り組む企業は多いが、専門人材の不足という課題が立ちはだかっています。
 業務プロセスのデジタル化が求められる人事給与部門のDXを促進させるには何をすべきか。人事業務のアウトソーシングのメリットとともに解説致します。

トピックス

日本の企業が生産性を高めるためには?

 日本経済が長期にわたり成長できない要因のひとつに「賃金上昇率の低迷」が挙げられます。日本労働組合総連合会が発表した『2023春季生活闘争 第4回回答集計結果』では、2023年の平均賃上げ率が3.69%と30年ぶりの高さに。しかし、中小企業の賃金の引き上げは依然として厳しい状況にあります。

出典:日本総合組合総連合会「多くの中小組合が「賃上げの流れ」引継ぎつつ回答引き出し~2023 春季生活闘争 第4回回答集計結果について~」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/yokyu_kaito/kaito/press_no4.pdf

 賃上げが持続できるかどうかは、賃上げによるコスト増を販売価格に転嫁できるかどうかにかかっています。2022年2月に起きたロシアのウクライナ侵攻により農産物やエネルギー資源の不足が生じたことで、原材料コストにも影響が出ました。こうした世界的なエネルギー価格上昇は、国内における物価上昇にも影響しており、食品や光熱費などが軒並み値上がりして家計の負担が増えています。

 話を戻すと、賃上げ継続に向けた価格転嫁力改善に向けた最重要課題こそ「生産性向上」です。そして、その解決にはデジタルシフトが不可欠です。ここで重要なのが、人的資本への投資の強化です。デジタルシフトをけん引する高度専門人材が不足している企業においては、育成・確保などの取り組みが急務となっています。

人材不足に悩む日本の企業

 コロナ禍を契機にデジタルの利活用がさまざまな場面で急速に進んだものの、企業におけるDX推進はまだ課題が山積みといった状況です。

 総務省『デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究』によると、DXを進める上での課題である「人材不足」は、アメリカ・ドイツを抜いて日本がダントツで1位というデータがあり、特に中小企業は深刻な人手不足に直面しています。中小企業の目下の課題は、「少ない人材でどう生産性を上げていくか」に尽きるでしょう。とはいえ、単に業務をデジタル化するのではなく、課題解決の本質は“DXを実現した先”にあることを忘れてはなりません。

デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究の請負報告書

<株式会社情報通信総合研究所 作成データより抜粋>

出典:総務省 情報流通行政局情報通信政策課情報通信経済室
デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究の請負報告書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/r03_02_houkoku.pdf

 「DXの本質」とは、言わずもがな企業変革を実現し、市場競争力を強化することです。企業成長を視野に入れた人的資本経営も注目され、人的資本に関する戦略や指標などの開示を求める内閣府令が公布されました。現在、あらゆる産業においてDX推進や経営観点での人事改革に熱い視線が注がれています。

ペーパーレス化はDX実現への第一歩

 経済産業省が発表したDXレポート2では、早急に取り組むべきアクションに業務プロセスのデジタル化が挙げられています。そのひとつとして掲げられているのが、「クラウドストレージを用いたペーパーレス化」です。

 「DX推進」と「リソース最適化」という難題を抱える人事部門にとってバックオフィス業務の改善、生産性向上は急務であり、デジタルシフトによって“ビジネスプロセスの変革”を実現するペーパーレス化は、DX実現への第一歩とも言えるでしょう。

 また、労働環境の変化や組織力強化のため、ウェルビーイング経営による戦略的な人材活用も喫緊の課題になりつつあります。さらにマクロな視点として、自然災害、パンデミック、紛争リスク等、不測の事態に備え、業務の継続性を担保する必要もあるでしょう。こうした背景から人事部門の対応業務は多様化・多角化してきており、多くの企業が慢性的な人材不足に頭を抱えている状態です。

出典:経済産業省「D X レポート2 中間取りまとめ(概要)」
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf

クラウド型人事給与システム「PROSRV(プロサーブ)」で経営課題を解決

 専門人材の獲得、戦略人事からなる組織開発など業務が複雑化し、余裕がないバックオフィスの作業負荷を軽減するのが、当社、三菱総研DCS株式会社が提供する人事給与関連サービスの「PROSRV(プロサーブ)」となります。

 「PROSRV」はクラウド型人事給与システム「PROSRV on Cloud」を軸に、「スポット事務サービス」「月例事務サービス」という3つのサービスを提供しています。年末調整、地方税年度更新といった季節ごとの業務、またはマイナンバー管理やインボイス制度導入に伴う法務対応といったスポットで発生する整備、人事給与・労務に関わる事務的業務など、企業ごとに異なる課題感やバックオフィスの人材状況などに合わせて必要なだけアウトソーシングできるのが特長です。

      ✔「人事給与業務そのものを外部の専門業者に委託したい」
      ✔「人事部門における定型業務の負担を少しでも軽くしたい」
      ✔「年末調整や地方税年度更新の時期などに残業が集中するのを避けたい」
といったように、業務プロセスの標準化・効率化を実現したい企業のニーズに最適な選択肢といえます。

事業開始から50年を超えるサービスの提供実績とノウハウが強み

 三菱総研DCSは1970年の創業以来、55万人以上の導入実績を誇る人事給与のクラウド型アウトソーシングサービス「PROSRV(プロサーブ)」を多くの企業に提供してきました。下記のような強みを持ち、多岐にわたるサービスソリューションでお客様の課題解決を実現しています。

  • 約2000社の人事給与業務をサポートした豊富な実績
  • 経験から得たノウハウと効率的な運用パターンで改善策を提案
  • お客様と同じ熱量で成功に挑む「人事給与システム選定のプロフェッショナル」

 また、業務プロセスをドキュメント化して管理しているので、業務をご担当されている方に急なトラブルがあった場合でも業務継続性の担保が可能となり、例えば、多くの方がご経験されたようなコロナ禍の急な隔離で業務の継続が困難になったり、天災等でご担当者様が出社できなかったりというケースでも、「業務を遂行できた」いった声も聞かれます。

最短4ヶ月で人事給与システムの導入へ

 PROSRV on Cloudをご導入いただく場合、当社エンジニアが移行作業を担当し、最短4ヶ月での運用開始が可能です。事前に要件をヒアリング、現在抱えている課題を整理し、人事給与制度を把握した上で導入に向けた対応を進めています。そのため、人事のご担当者様は、導入業務につきっきりになる必要はなく、これまでの業務を継続しつつ、導入後の業務をより効率的に動かすための仕組みづくりや、従業員の働きやすい環境を構築することなどにリソースを割くことが可能となります。

「PROSRV(プロサーブ)」3つの特徴

 「PROSRV(プロサーブ)」ができること、そして特長について3つ解説していきます。

メリット①人材不足の解消&専門性の実現

 ペーパーレス化を始めとしたDX推進を企業課題と捉えつつも、人的リソース不足で対策が後回しになりがちではないでしょうか。また自社開発のシステムやインストール型のソフトウェアを活用する場合、基盤システムやハードウェアの保守管理が必要不可欠だが、「ITに詳しい人材が足りていない」という課題を持つ企業も少なくありません。

 導入に際し、適切な対策がなされず、情報漏洩や不正アクセスなどの二次被害に悩まされるケースも実際に発生しています。

 人事給与DXの基盤構築やシステムの保守対応など社内ではまかないきれない部分を専門業者に任せることで、自社にはいない専門人材を活用することにつながります。人的資源の確保、作業の効率化、より重要な組織をつくる活動にシフトできるといったメリットが期待できるでしょう。

メリット②組織成長と人事改革を後押しできる

 企業の人事・総務部門は、ギリギリの人数で業務に対応していることや、特定の業務単位で担当者を設定していることが少なくありません。そのため、業務プロセスの整理がままならずブラックボックス化したり、社内制度改革に場当たり的に対応して業務が複雑化したりするケースも多い。こうした状況で組織改革等を見据えた取り組みを実施すると、人事総務部門にしわ寄せがきて業務負担を強いられてしまう傾向があります。

 「PROSRV」を導入することで業務手順の標準化、属人化の解消を実現し、人事給与業務をより効率的に運用できます。間接部門の生産性向上に寄与するだけでなく、全社的な改革につながる人事施策の企画・運用にリソースを確保でき、組織成長に直結する働きが期待できるでしょう。

 また、「PROSRV」は内部統制の一環として行うIT統制のニーズにも対応し、システムのみ導入することも可能です。アウトソーシングの範囲は後から調節でき、事業の急拡大やM&Aなどによる人事・給与制度の異なる組織拡大時にも柔軟に対応できます。これらの柔軟性も「PROSRV」メリットのひとつと言えるでしょう。

メリット③客観的に分析し、根本的な課題解決につなげられる

 「PROSRV」は単なる人事給与業務の代行サービスではありません。お客様の課題や状況に応じた提案を通じて、業務負担や非効率を生む運用ルールを排除し、根本的な課題解決を行った上で最適化を目指すアウトソーシングサービスです。

 例えば、DX推進を目的としたアウトソーシングの場合、デジタルシフトによる省力化、効率化という目先の取り組みに意識を向けるのではなく、自社の現状をしっかり把握し、「何を優先すべきか」「どんな業務にリソースを使っているのか」を分析し、改善することが重要です。「PROSRV」の導入には、もう一歩先の視点から課題を見直し、お客様ごとに最適な運用方法をテンプレート化して提案することで、コストを抑えつつも成果につなげるというメリットがあります。

 労働人口減少や専門人材の不足などを受け、限りある人的資源を事業成長につながるコア業務に集中し、ノンコア業務は専門性の高い外部ベンダーにアウトソースすべきという考えは多くの企業で広がっています。特に間接業務である人事・総務部門のアウトソーシングは、需要増の一途を辿っていると言えるでしょう。

      ✔「人事給与業務が煩雑化し、余裕がない状況を何とかしたい」
      ✔「生産性向上、組織成長を視野に入れた人事DXに取り組みたい」
とお悩みなら、アウトソースの選択もひとつの解決方法と言えるでしょう。

まとめ

 企業が抱える課題や状況は多様であるため、「自社が抱える課題をアウトソーシングで解決できるか不安・・」という、企業様もいるでしょう。人事給与システム・アウトソーシングサービス「PROSRV」は、お客様の状況、業種業界に合わせて、過去の実績から最適な運用方法をパッケージモデル化し、ご用意しています。決められたルールの中でしか運用できない事が多い他社サービスと違い、一社一社に最適化したサービスを提供しています。
 また、予算規模、企業成長、目的に合わせて段階的にサービス提供範囲を選択できる特長を持つ点にもぜひご注目ください。人事給与部門の業務課題にアウトソーシングが有用な手段だと感じたら、選択肢のひとつとしてご検討いただけますと幸いです。

人事給与に関するご相談はこちらから
https://inquiry.dcs.co.jp/hr/soudan2