導入事例

株式会社ツムラ様導入事例

システム運用・保守作業に追われる日々からの脱却。
大胆なアウトソーシングで、劇的に業務を改善!

関連商品・サービス

導入前の状況

株式会社ツムラ様は、医薬品や入浴剤の製造販売を行う会社として広く知られており、漢方製剤においては、医療業界においても高く評価されています。2000年に三菱総研DCS(以下、DCS)のアウトソーシングサービスを導入される以前は、システムの開発やその運用・メンテナンスに至るまで、すべてを社内で行っていました。導入後5年が経ったいま、結果的にシステム部門の業務自体を大きく変革することに成功されています。

「自前主義」の限界

社内のシステム部門が、業務の限界に達していた

DCSソリューション開発部
副部長 星川 滋

ツムラ様では、製品の製造管理をはじめ、業務管理・会計管理、受注出荷管理、生産管理、インターネット・イントラネットの運営管理など、社内で用いているあらゆるシステムについて、運用から開発までのすべてを、自社内のシステム部門で対応されていました。その部署には、ピーク時で45名の社員が在籍していたそうです。

システム部門の日常業務は、運用管理・メンテナンスや各ユーザ部門からの要望に対応するだけで手一杯。いずれも止めることができない業務だけに、作業に忙殺される毎日で、新たなシステムへ取り組むことができず、部門としての業務効率が非常に悪くなっていたことが大きな問題でした。

また、各ユーザ部門も事務作業やデータ管理などの負荷が増してきていました。 「当時、ツムラ様では西暦2000年対応やコスト削減をテーマに、汎用機からのダウンサイジング計画が推進されていました。またシステム部門には、『経営に価値ある情報システムの構築』という、業務革新を提案する新たな役割が求められていたそうです。情報システムを取り巻く環境の変化とシステムの開発・運用のための要員不足の中で、抜本的な解決を模索されていた訳ですね。」(星川談)

社内でシステムを管理する余裕がなくなっており、5年後にはさまざまな面で限界になるだろうと、1998年頃からアウトソーシングの検討を開始されました。

フルアウトソーシングという決断

メーカーに依存しないDCSの「強み」が評価された

DCSを含め、メーカー系やソフト系など、複数のアウトソーサーによる競合となりました。「その中からツムラ様がDCSを選定された大きな理由は、“ツムラの情報システム戦略を理解する能力と姿勢”“メーカー色のないマルチベンダーであること”という2点だったと伺っています。」(中村談)

ツムラ様の案件のように大規模なトータルアウトソーシングサービスは、当社でも前例がありませんでした。しかも、それまでにまったくツムラ様のシステムに関わっていない。つまり、医薬業界についての知識がほとんどなく、競合他社に比べ不利でした。ツムラ様としても、今まで自社内でやっていたことを外へ出すわけですから、かなりの決断や意気込みをお持ちでした。

事後処理のアウトソーシングもカギの一つでした。ツムラ様は各部門の事務の負荷軽減もお考えでした。
DCSはこの要件に「事務センターの設立」というご提案をいたしました。これは、勤怠等の各種データ入力、支払や帳票作成、配布等の作業を1箇所に纏めることで事務の効率化を図ろうというものでした。
「DCSを選定されたということは、給与人事サービスの事務処理実績やDCS社員のノウハウ、信頼性・技術レベルといった、我々の強みがご理解いただけ、考え方や提案がツムラ様に合致したのだと思います。」(星川談)

そして変化し、進化していく

約50のシステム、120ものサーバ(当初)をDCSのセンターへ移行

DCSソリューション営業部
シニアITエンジニア
中村 光志

「当初120台ほどのサーバをツムラ様用に移設・新設しましたが、徐々にシステムが増え、現在では約70システムで200台にも達しています。ツムラ様は当社にとって最大規模の案件なのです。」(中村談)

1999年秋に、アウトソーシングを当社が一括受注することに決定し、2000年の春からシステムの移行が始まりました。その間、ツムラ様側でシステムのダウンサイジングを実施され、我々はスムーズな移行ができるよう、万全のシステム環境、スタッフ体制を整えることと、ツムラ様の状況把握や医薬業界の知識を深めることに費やしました。

「サーバの移設は大きく4回に分けて行い、大きなトラブルもなく進めることができましたが、実際に私たちが運用を代行するにあたり、その業務を完全に引き継ぐには1年ほどかかりましたね。」(星川談)

システム部門の役割の変化と責任範囲の拡大

「我々がアウトソーシングを請け負ったことで、ツムラ様のシステム部門の業務は大きく改善されましたね。」(星川談) 新規のシステム開発や運用保守・メンテナンスなどの業務は、すべてDCSがやりますから、ツムラ様のシステム担当の方々は、システムの企画に集中できるようになりました。

以前までは、事業部門を含む本社組織を対象としたシステムの運用・開発がその責任範囲でしたが、今日では「深さ」と「広さ」の側面でその責任範囲が広がってきたとのことです。「深さ」とは、インフラやアプリケーションに留まらず、ビジネス・プロセスやビジネス・モデルに影響を与える施策をおこなうことが出来るようになったこと。「広さ」とは、グループ企業とのインフラ整備や海外展開等の施策、B2Bに代表される新たなシステムの企画ができるようになったことです。業務革新の提案が可能になったのです。

今年で丸5年が経ちますが、結果としてかなりドラスティックな業務改革・改善になりました。ツムラ様のシステム部門は既に約10名になっていましたが、 2004年4月にはシステム部門自体がなくなってしまいました。システムのご担当者はそれぞれ経営企画室、業務推進部、生産本部などへ異動されました。

現在では、DCSのSEがユーザ部門のご担当者とシステムの改善内容などを直接やり取りしています。システムをご担当されていた方々は、主に企画やシステム改善内容・費用のチェック機能としてDCSと関わっています。

フルアウトソーシングの理想形

適度に密接した関係は、理想的なアウトソーシングのカタチ

我々が委ねられている業務は、インフラの提供、サーバ運用および管理、アプリケーションの開発・保守、各種事務処理などですから、まさにフルアウトソーシング。お客様の立場に立って業務を推進することが私たちの基本スタンスなので、業務の線引きがむずかしい場合もあります。

「この案件では、DCSの社員は、ツムラ様の社内に1人も常駐していません。それは、業務が“馴れ合い”で発生することを防ぎ、両社の社員のモラル維持に役立っています。一方で、ツムラ様の業務を一手に引き受けているので、我々は“ツムラの社員”としての意識を持って業務に当たらなければならない時も多々あります。ツムラ様も当社社員をあるときは“仲間”として、またあるときは“ビジネスの相手”として見てくださっています。」(星川談)

「この関係性は、お互いの信頼関係や、その企業の業務内容や業務知識を十分に持っていなければ構築できないでしょう。丸5年が経ち、この関係が理想的なフルアウトソーシングの1つの方向なのだ、と感じています。」(中村談)

堅実な運用・管理と、よりハイレベルな提案でサポート

「ツムラ様がこれからのDCSに期待されているのは、“DCSとしての提案“です。ツムラ様のことも、業界の事情も、徐々に理解が深まってきていますし、システム以外の細かなところにまで眼が行く余裕も生まれつつあります。さらにスキルアップして、ツムラ様の業務をサポートできるようなハイレベルなシステムの提案をしていきたいですね。」(星川談)

2000年の初期段階で移設したシステムは、そろそろ大規模なメンテナンスが必要となってきます。「システムのライフサイクル」を考慮して対応することも、今後の課題です。実際のユーザとなる全国のツムラ社員の皆様に負荷をかけることなく、使いやすいシステムづくりを続けなければいけません。

現在では35名のDCS社員がツムラ様専任として業務を行っています。単なるアウトソーサーとしてではなく、共に成長するパートナーとして、さまざまな業務を次のステージへ進めたいと思っています。