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ビジネス・グリッド技術を用いて、Webアプリケーションサーバーの仮想化に取り組む。
弊社(以下、DCS)は日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)及びインテル株式会社(以下、インテル)の支援を得て、Webアプリケーション環境の仮想化プロジェクトを実施。最先端のビジネス・グリッド技術を用いたこの実証実験により、アプリケーションサーバーの動的配置によるリソースの有効活用や、流量制御によるサービスレベルの維持などの検証に成功しました。まさに「止まらない&待たされない」Webアプリケーション環境の構築・運用を実現したのです。DCSでは、今回の実証実験を通じて蓄積した技術やノウハウに磨きをかけ、お客様へのさらなるサービス向上に取り組んでいきます。
インターネットの普及に伴い、オンラインショッピングやインターネットバンキング、株式の売買など、インターネットビジネスを積極的に展開する企業が増えています。弊社DCSのお客様も、インターネットビジネスに対応するためにWebアプリケーションを利用するケースが増え、それに伴いWebアプリケーションに特有の課題の解決策を求められることが多くなっています。
例えば、お客様のシステムへの予期せぬ大量アクセスによるサイトダウンを防ぐには、ピーク時を想定したサーバーを用意しておく必要があり、運用管理費の増大を招いています。また、ビジネスチャンスを確実につかむには、お客様がいつでも利用できるように24時間365日のサービス提供が必須です。こうした課題を解決するだけでなく、クライアントのユーザー層や業務の内容に合わせてリクエストの流量を制御したり、あるいは負荷状況に応じたサーバーの動的配置が有効であり、同社ではそれを実現する技術としてビジネス・グリッドに注目しました。
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DCSは、日本IBM、インテルの協力を得て、ビジネス・グリッドの実証実験を行うことに決定。正確な実験結果を得るために、あるお客様の了解の下、運用中の複数のWeb用アプリケーションを対象に実データによる実験を行うことにしました。お客様としても、利用者の急増などでデータ流量が倍以上に増えることが予想されることから、その解決策の一つとしてビジネス・グリッドの可能性に期待され、快く実験に協力していただけました。
実験に当たっては、グリッドコンピューティングに求められる高い処理能力や、優れたスケーラビリティーと信頼性を備えたインテルXeonプロセッサーを搭載したIBM xSeriesR336を採用。DCS本社内に8台を設置し、OS(基本ソフトウェア)のLinux、データベースのDB2R、WebSphereR Extended Deployment(以下、WebSphere XD)のすべてを64ビットで稼働させました。
WebSphere XDにより仮想化されたアプリケーションサーバー環境では、アプリケーションは動的に配置され、サーバー資源の有効活用と全体最適化、および管理の単純化が実現します。クライアントからのリクエストは、各サーバーの能力や現在の負荷状況に応じて、適切なサーバーに送られます。また、リクエストに応じて各サーバーで処理を分担する区分化(パーティショニング)機能や、高機能なオブジェクトキャッシングなどの機能を提供し、データベースへのアクセス集中によるパフォーマンスの低下を回避します。加えて、ポリシーに基づいてサーバーの非正常状態を感知し、対処するオートノミック機能も備えています。
お客様のシステムを実際に運用している担当部では、お客様が抱えていた課題を次のように分析しました。
「お客様のWebアプリケーションは、社内の業務/一般ユーザーがイントラネットからアクセスするだけではなく、多くの特定/一般ユーザーがインターネット経由で情報提供を受ける仕組みになっていました。現状のシステム・パフォーマンスにはご満足をいただいているものの、利用者の急増が見込まれる中で、データの流量が倍以上に増えることが予想されていたことから、新たなソリューションを求めていたのです。もちろんサーバーの増強などによって解決する方法もありますが、コスト増大は免れません。そこで選択肢の一つとしてビジネス・グリッドの可能性も探ってみたいと考え、お客様に実証実験への協力をお願いし、そこで得られる最新システムの運用ノウハウは、なんらかの形で還元させていただくということで、ご理解をいただいたのです」(担当者談)
また、ビジネス・グリッドへは次のような期待を持っています。
「Webアプリケーション・サーバー特有の課題を解決するにはさまざまなアプローチがあるでしょうが、将来への展開が望めるという点でビジネス・グリッドはとても魅力的でした。技術的にも新しいことにチャレンジできますし、今後のお客様へのご提案に際しても、ビジネス・グリッド技術を用いることでDCSならではの独自性を出せるのではないかと考えました」(担当者談)
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実証実験では、主に以下の四つの検証を行い、サービスレベルを確保しながら、資源を有効利用し、保守・管理を効率化できることを確認しました。
ユーザー種別や業務アプリケーションごとの優先順位を判断し、かつ目標とするサービスレベルを維持するためにWebトランザクションの量を制御したり、IT資源を自動的に配分したりする機能を検証しました。
サーバーの負荷に応じて処理を割り振ることで、システムからの応答時間を短縮し、資源の利用効率が向上することを検証しました。また、特定のアプリケーションの処理量が急増した場合には、システムを停止させることなく、自動的に対象アプリケーションのサーバー数を増強して対処できることを確認しました。
サービスを中断することなく、アプリケーションの修正適用や機能変更が行えることを検証しました。複数サーバーで順番にアプリケーションの更新を行っている間も、ユーザーが正常稼働しているサーバーに適正に振り分けられることや、更新後のアプリケーションの公開前に、限定したテストユーザーまたはテストクライアントにのみアクセスを許可し、旧バージョンと同時に稼働できることを確認しました。
システムからの応答時間や負荷状況などをグラフで表示する機能や、ハードウェアやOSの保守の際にユーザーに影響を与えずにサーバーを停止するなど、大規模なサーバー群の集中監視/管理を容易に行えることを検証しました。また、応答時間の極端な悪化など、システム停止を引き起こしかねない異常を検知し、障害を事前に防ぐオートノミックコンピューティング機能について確認しました。
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今回の実証実験により、ビジネス・グリッド技術がWebアプリケーションの信頼性とサービス品質を向上させるとともに、運用面での機能向上や、TCO(TotalCostofOwnership:総保有コスト)削減が可能なことが実証されました。
具体的なコスト削減額は、企業のビジネス目標やソフトウェア設計、情報インフラ、システム構成などで異なることになりますが、今回の事例では従来のシステムに比べて20〜30%のトータルコスト削減が可能と考えております。 また、Webを使う多様なアプリケーションに今回の仕組みを展開できることから、実験に協力していただいたお客様だけでなく、さまざまな業種・用途で利用できると考えています。今後、瞬間風速的に大量のトランザクションが発生するケースや、ピークがなかなか読めないケースでは、ビジネス・グリッドをソリューションの一つとして積極的に提案していく予定です。
今回のプロジェクトを通じて、ビジネス・グリッドの構築・運用を経験できたことは、当社にとって大きな財産となりました。現実に運用されているアプリケーションと実データを使ってノウハウを蓄積できましたから、今後、お客様へビジネス・グリッドを提案させていただく際にも説得力のあるものになるでしょう。実際、今回の実験結果の発表後には、ビジネス・グリッドに興味を持たれたお客様がいらっしゃるようです。当社のサービスを充実させるためにも、IBMのビジネス・グリッド技術やWebSphere XDのさらなる展開に期待しています。(プロジェクト責任者談)
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